結婚記念日を迎えて

特別じゃないけど特別な日

数少ない記憶している記念日の1つ、結婚記念日。どちらかの誕生日でもなく、交際始めでもなく、何かを記念して入籍をした訳ではありません。

単に、籍を入れるタイミングで一番切りが良さそうだったからです。以前、この話しをして、「ロマンティックじゃない」とお叱りを受けた事があったが、忘れてしまう様な日付より思い出しやすさを優先した結果なので、仕方がない。それほど、(当時も今も)記念日を覚えている自身がありません。

この日が近くなると、当時の生活を思い出します。

10月01日以前

回想録にも少しずつ書き貯めていますが、同棲を始めてお互いの未来を夢見ている真っ最中にハンチントン病という現実を突きつけられました。その聞き馴染みがない病名を前に藻掻き足掻いて、心の底から悩みました。もしかしたら、藻掻き方も足掻き方も分らないぐらい混乱していたかも知れません。

妻の事も勿論、それを告げた義父や担当医、再検査を依頼してこちらが一方的に期待した答えを用意していない主治医。その他、自分を構成している全てに敵対心を抱いていたのは間違いない事実です。

その状況から、今日も手が届く範囲に妻を寝かせている事を見出す事が出来たのは、真摯に取り組んで頂いた医療関係者の皆さん。妻の先を行くハンチントン病患者さんの貴重なご意見や経験談。立場は違えど年長者の功で、何に悩んでいるのかを明確にしてくれた恩人。幼い頃に自分とは違う人が居る事を学ばせてくれた学校と学友。そして、全ての判断を私たちに任せてくれた家族のお陰です。

この方々誰1人を欠いても、今日はありませんでした。

10月01日以降

今考えると、2人にとって何でもない日を選んで良かったと思っています。

何かが近づいてくる・何かを待つ事が出来る日が1日増えたからです。

などとカッコいい事を書いてみましたが正直、妻の誕生月7月や私の誕生月9月という候補もありました。しかし、これを待っていると約1年保留する事になるので、そんなに今のモチベーションを保つ自信がありませんでした。

それでも、この日を境に誓いを立てる事が出来たし、責任を持って判断をする事が出来る様になったので、ベストタイミングだと胸を張っています。

妻の病状によって1つずつ人生の判断を繰り返す。特別の様でそうでは無いと思います。妻が病気で無くても同じ道を歩む以上何らかの判断は下さないといけない訳ですし、私自身が判断を下して貰わなければいけない立場だったかも知れないと本気で考えています。

『パートナーが病気や事故で寝たきりになると判っていたら、貴方はその手を放しますか?』

こう言う問題がありますが、私たちにとって思考訓練の問題ではなく、現実の中で考えなければいけなく、「違ってたからやり直し」が出来ない難問です。

ただ、その手の放し方も握り方も1つではなく、置かれている環境や時代で多くの枝葉が出ています。その中から、少しでもより良い【今日】を迎えれる様に判断を続けて行きたいと考えています。

心の声

・同じ物を食べれる機会が少なくなったけど、コシが全くないもっちりした九州うどんで作る鍋焼きうどんは2人で分け合いながら食べるソウルフード。

・明石焼きという選択肢もあったけど、手間の関係で却下。

・消防団の定例会が毎月1日に設定されているけど、今日はガン無視。

・ギューってしたらお腹を殴られた。間違いなく不随意運動だ。

投稿者:

ハンチントン病の介護者

ハンチントン病を発症した妻との約束、【そばに居たい】と言う言葉を胸に約15年の自宅介護を継続中。いわゆる介護鬱にならない様に、心に5段階のスイッチを用意しています。最高?最低?の時は4つ目までスイッチが入った事があります。

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