ハンチントン病発病後、初の雲海

遺伝子診断で再スタート

遺伝子診断の結果を待つ期間は、体調や精神面で大きく変わる事のない彼女との生活が続いていた。変わったのは、NHKの某番組を見なくなった事。人形劇やボタンを連打するのが好きだったのだが、各種病気や健康の事を取り上げられる番組なので、何となくリモコンを手に取る事が多くなった。又、以前にもましてドライブをする事が増えた。別に目的は無かったけど、地元の地場産品を購入して家で同じ物を食べる。そういう時間がなんとなく、好きだった。

定期受診日に合わせてお願いした遺伝子診断の結果報告。いつも通り、広く安心出来る工夫が施してあろう部屋で少し緊張して先生を待つ。彼女は、今まで関心が無かった壁のポスターや張り紙を熱心に読んで、私とは目線を合わせ内容にしていた。後で聞くと、怖くて顔を見れなかったと言っていた。先生が合流され、一つ一つ資料を見せて内容を説明されていく。結果は、陽性。遺伝が確認されたという。私は涙ぐんでいたが、彼女は母親と同じ症状という事で私が想像していた以上に病名を受け入れていた。ただ、冷静だという訳ではなく、握っていた手は小刻みに震えていた。

こちらが希望していた陽性だった場合、病院側が予想出来る今後の病状を教えて頂いた。当時のインターネットでも調べる事が出来た『身体の自由が利かなくなる(不随意運動)』『不安になりやすくなったり、暴言を吐いた入りする様になる(性格変化や自殺を伴う精神症状)』『言いたいけど言葉の組み立てが出来なくなる(構語障害)』の具体的な所から教わり、『食べ物や飲み物の飲み込みが悪くなる(体重減少)』『痰や唾でも誤嚥を起こす(肺炎)』『寝たきりになる(肢体不自由)』などなど。メモを取っていた手が止まるほどこれから起こり得る事と分かってからの説明は衝撃的だった。一通りお話しを伺って、改めて神経内科の先生にお時間を頂き、改めてこれから宜しくお願いしますとご挨拶をさせて貰った。

急いで家に帰る気分では無かったので、二人でよく遊びに行くゲームセンターに行った。こういう日には、良くJPが当たるらしい。

 

遺伝子診断は、「あなたは病気です」「病気になります」と確定宣告を受けるという事なので、本当に慎重に考えて欲しいと願います。先日、現在住んでいる大学病院の遺伝カウンセリング部の方とお話しをさせて頂いた。こういう情報発信や家族会に戻らせて頂く上で、私たちが受けた当時と今の差を実感しておきたかったから。今の方が、より繊細に病気の事や今後の事を説明されているイメージを受けた。担当者がどうこうと言うよりは、単に病気の内容や説明スキルが上がっていると感じました。それでもショックを受ける事には変わりないのでしょうが、デモンストレーションながら担当医だけでなく全体で真剣に取り組まれている姿勢に好感が持てました。

投稿者:

ハンチントン病の介護者

ハンチントン病を発症した妻との約束、【そばに居たい】と言う言葉を胸に約15年の自宅介護を継続中。いわゆる介護鬱にならない様に、心に5段階のスイッチを用意しています。最高?最低?の時は4つ目までスイッチが入った事があります。

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